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精密検査

数枚の画像を見ながら、

「精密検査を受けて下さい」

そう言って、
画像を指差し説明を繰り返す医者。

「あと○年もたないかも知れません」

「それは告知ですか?」

「いいえ」
「検査結果をみないと何とも言えないので」

「結果によっては」
「もっと短くなるかも知れません」

ぼーっと画像を眺める俺、
医師の説明は殆んど耳には入らなかった。

「ここには検査機器がないので」
「大学病院を紹介します」

ここまで進行が遅かったのは奇跡(笑)
発症からかなりの時間を経た。

もしかしたら、
このまま進行しないのでは?
そんな希望的観測も持っていた。

世の中そんなに甘くはないか(笑)



「ずっと傍にいてよ」
「一緒に」

君が囁いた言葉が脳裏を過った。

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22才の別れ

22才の誕生日の少し前だった。

「わたし煙草嫌いなんだよね」

その頃付き合っていた彼女にそう言われた。

選択肢は二つ。
1.彼女のために煙草をやめる
2.彼女と付き合うのをやめる

さて俺はどっちを選んだんでしょう?

「俺が煙草を吸う男だって」
「知ってて付き合ったんだろ?」

俺はそう答えた。
誰かのために自分を変えるなんて出来なかった。

まだ若かったからかも知れない。
いやいや、
それは今も変わってないけどね。

それから彼女からの連絡は途絶えた。

俺の誕生日を過ぎても一向に連絡はなく、
強情な俺はもちろん自分から連絡することはなかった。
ちなみに当時は携帯電話なんてツールもなかった(笑)

煙草をやめない俺に愛想を尽かしたのだろうと思っていた。
それも仕方ないなと。

22才の別れ

そんな曲がよく似合う誕生日だったのかも知れない。

それから数日過ぎて、
俺の部屋を彼女が訪れた。

「誰も誕生日を祝ってくれなかったでしょ」

彼女は笑って俺にそう言った。

俺は人付き合いが悪く、
ついでに人見知りの人間不信。

友人も多くはなかった。

「ケーキ食べた?」

「いや」

「やっぱりね」

そう言って彼女は、
後ろ手に隠していたケーキの箱を俺に差し出した。

「はい誕生日おめでとう」
「わたしがいないと誰もあなたを祝ってくれないだろうなって」

小馬鹿にしたような笑い顔を俺に向ける彼女。
でもその笑顔は優しかった。

「一緒に食べよう」
「寒いからお部屋に入れて」

彼女はそっと俺に手を回して、
頬を寄せた。

そして、

「やっぱり煙草くさい」

小さく囁いて、
優しく唇を重ねた。

寂しがり屋

仕事帰りに彼女に写メを送った。
黄昏色に染まる空。

「夕陽がきれいだよ」

暫くすると、
彼女から返信が届く。

「キレイな夕陽」
「小太郎は寂しがり屋さんね」

確かにそうかもしれない。
きれいな景色、
楽しいことや嬉しいこと、

そして悲しいことも、
誰かに共感して欲しいのかも知れない。

そして、
俺が共感して欲しい相手は、
間違いなく彼女だった。

「そうだね」

俺は彼女にそう返した。

「わたしも寂しがり屋さんなの」

彼女から、
そんな返信が届いた。

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浦島小太郎

管理人:浦島小太郎
年齢:不詳
性別:雄
住所:未定
職業:不定
情緒不安定

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